海で役目を終えた「漁業用フロート」が、サステナブルで上質なバッグに。新商品発表イベントに参加
2025年10月21日(火)、東京・目黒で、バッグブランド「FUMIKODA」の新シリーズ「MARINA(マリーナ)」の発表イベントと、レセプションパーティが開かれ、報道関係者などにお披露目されました。

このシリーズには、使用済み漁具の中でも処理が困難な漁業用フロート(EVA製)をリサイクルした人工皮革「Ocean V leather(オーシャンVレザー)」が使用されています。
「Ocean V leather」は、私たち一般社団法人Alliance for the Blue(以下、AFB)が、協働企業の株式会社FUMIKODA、大同化成株式会社、ニチモウ株式会社とともに、使用済みの漁業用フロート(EVA製)を原料とし開発した再生人工皮革です。

海洋ごみ問題を背景に、海と人をつなぎ、新しい未来を創るー。そんな循環を体現した発表イベントの様子や、再生人工皮革開発にあたっての苦労、そしてバッグの魅力をご紹介します。
海の課題に「協働」で挑む
AFBは、公益財団法人日本財団とのコラボレーションのもと、企業や自治体、漁業関係者など約80の団体と協働し、海洋プラスチックごみの削減や海洋環境保全活動を進めています。
これまで、海ごみの約4割を占めると言われる廃漁網のリサイクルを協働企業の皆様と進めてきましたが、毎年多くの廃棄物となっている漁業資材の「漁業用フロート」についても、「リサイクルすることで、循環させることはできないものか」と考えてきました。
今回使用した漁業用フロートは、マグロ、カツオのまき網漁で使用されるEVA製の発砲フロートです。過酷な漁業現場で使われるまき網漁具の浮子(うき)として使用されるため、弾力性を持ちながらも頑丈に作られており、リサイクルの前工程で必要な「粉砕」が困難なのです。その上、軽く作られているので重量当たりの体積が非常に大きく、嵩張ることから、リサイクル時に大きな割合を占める運搬コストが高くなります。
さらに、産業廃棄物として処理する際も、嵩張るため埋め立てに向きませんし、焼却する際も非常に高温になって焼却炉を傷めやすいなど、非常に厄介な廃棄物の一つでもあります。よって廃棄物としての処理費も高く、結果放置され、流出につながることも懸念されています。
そこでAFBは、この問題を解決するために、2022年にEVA製漁業フロートメーカーの内外ゴム株式会社と連携し、フロートの再生を検討、実証実験を続けてきました。
そして、2023年から株式会社FUMIKODA、大同化成株式会社、ニチモウ株式会社と協働し、漁業用フロートの回収から、リサイクル人工皮革の開発、それらを使用した商品開発をめざすプロジェクトを始動しました。
ニチモウ株式会社に使用済み漁業用フロートを提供いただき、大同化成には、漁業用フロートを、強度や質感を伴った人工皮革に仕上げるための強度・厚みの最適化や、指定色のブルーに仕上げるための調色を、繰り返し行っていただきました。またコストと品質の両立に何度もトライしていただいたことで、EVA製の使用済みフロートを25%含有した人工皮革「Ocean V leather」が誕生しました。
この素材を用いて、FUMIKODAが上質でスタイリッシュなボックストートバッグの新シリーズ「MARINA」が誕生しました。穏やかな海に吹く風のような、しなやかさのあるデザインです。

上質で心地のいいサステナブル商品
イベント当日は、FUMIKODA代表の幸田フミさんが登壇し、「リサイクルだからと我慢するのではなく、上質さと機能性とサステナビリティを同時に叶えることを大切にしています」という理念に触れていました。

そして、MARINAシリーズの魅力について、「協働企業の皆様の努力で生まれた素材を、毎日気持ちよく使える形に仕立てるのが私たちの仕事です。何より、リサイクルに見えない品質にこだわりました。Ocean V leatherはきれいな発色で、形が崩れないため、バッグと相性がいい素材だったと思います」と力強く語られていました。

初お披露目の場に、とよた真帆さんも登場
また、発表会には、長年FUMIKODAの愛用者でもある女優のとよた真帆さんも駆けつけ、新作バッグを手にしていました。とよたさんは、「限りなく革に近い上質感なのに、硬すぎず柔らかすぎず、使い心地がとてもいいですね。こうした素材を使うブランドが増えたら、私たちの日常(購買)が、そのまま貢献になります」とコメントしていました。

そのほかにも、「旅やロケにも連れて行きたい。両手が空いて、軽くて、頼りになります」と、実生活での活用を楽しみにされている様子が伝わってきました。
当日の発表会に集まった報道陣や関係者からは、会場全体に温かい拍手が送られ、イベント後は、MARINAや実物のフロートを手に取る姿も見られました。


盛大に開催されたレセプションパーティ
メディア発表後は、同会場で、FUMIKODAの開業9周年レセプションが開催されました。ここでも「MARINA」や「Ocean V leather」、使用済みのブイなどを展示させていただきました。


多くのFUMIKODA製品の愛用者様に、漁業系廃棄物の現状や新たに開発された人工皮革の製造工程などをお話しする機会をいただきました。皆様には関心を持ってご覧いただき、購入いただいたお客様も多数いらっしゃいました。
今回はFUMIKODAの幸田様に、リサイクル素材の開発から取り組む「新たな商品づくり」の旗を掲げていただいたことで、漁具の回収やマテリアルリサイクルを担う協働企業と同じ方向を目指して、プロジェクトを推進することができました。
そして、こうした協働によって出来上がったサステナブル商品(Product for the Blue)が話題になり、多くの方々に手にとっていただき、周知の輪が広がると、さらに次の廃棄漁具回収につながります。
今回の挑戦をともにしていただいたFUMIKODA、大同化成株式会社、ニチモウ株式会社の皆様の連携とご尽力に、深く感謝するとともに、これらの商品のPR、拡販に尽力してまいります。
【今回のプロジェクトの協働企業】
株式会社FUMIKODA:サステナブル素材を使った日本発バッグブランド。
https://fumikoda.jp/
大同化成株式会社:合成樹脂の設計・開発メーカー。
https://daidokasei.co.jp/
ニチモウ株式会社:1910年創業の水産専門商社。
https://www.nichimo.co.jp/